私が不思議に思うこと | BOOK REVIEW

私が不思議に思うこと

▼この本に関する情報▼
私が不思議に思うこと/西村 知美 著(青春出版社)

■■ ユ リ オ カ 超 特 Q さ ん ■■

 現在、芸能界において、いわゆる天然ボケキャラというのは最も重宝される存在である。
 特に女性アイドルにその傾向が顕著で、単にカワイイだけではダメ。バラエティ番組で活躍するためには、事務所の方針で無理矢理”天然”キャラの仮面を被らされる事になる。しかし、はからずも山口もえがロンブーの番組で「私、計算でした」と告白したように、時間が経つとその重圧に耐え切れず、自ら仮面を脱ぎ捨ててしまう。(鈴木蘭々、篠原ともえの痛々しさを見よ!)そこで、西村知美である。浅田美代子と並ぶ天然ボケキャラの鬼、不動のクリーンナップ。ズバリ、この人はモノが違う。

 このトークエッセイでは、子供時代から結婚生活、はたまた衝撃的な流産告白までトロリン(アイドル時代のニックネームね)ワールドが大全開。自動車の室内灯に電気代がかかると思っていた。なんてのはかわいい方で、大の苦手の運転は常に二人のナビゲーター付き。自分で後ろを見たことは一度もないとなぜか堂々と断言する、違う意味での強心臓ぶり。

 毎回、「チーム知美」を結成させられる友人の皆さんに心から同情します。さらにアイドル時代、クラスメイトの渡辺美奈代に番組で声をかけられて思わず自己紹介をしてしまったほどの、モノ覚えの悪さもカミングアウト。

 事務所の社長からのアドバイスで日記を書き始めるも、普通だとつまらないと考える。そこで、架空の誰かに報告するみたいな型だったら面白いんじゃないかと考えたトロリン。でもねー。その対象の名前を「ルシファー」にします? フツー。 悪魔ですよ悪魔。思わず戦慄が走りました。

 という訳で何から何まで我々凡人には理解不能な、こちらの非共感エッセイ。読み
ごたえ十分です。ビバ! トロリン!!