夜回り先生の卒業証書 | BOOK REVIEW

夜回り先生の卒業証書

▼この本に関する情報▼
夜回り先生の卒業証書―冬来たりなば春遠からじ/水谷 修著(日本評論社)

■■ 長 澤 瞳 さ ん ■■

私は、夜の世界とはほど遠い昼の世界の人だから、まったくと言っていいほど『夜回り先生』とは縁がない。そんな私がこの『夜回り先生』を読んだのは、なぜだろう。
それは先生の言葉がスキだから。「悩んだら電話しなさい。水谷は、どこでも会いにいくよ」「いいんだよ。昨日までのことは、みんないいんだよ。<死にたい>でも、それだけはダメだよ。まずは今日から、水谷と一緒に考えよう」

先生は悩んでる子供たちの事を一生懸命考えてくれる。怒ったり、手をあげたりはしない。

「いいんだよ」と優しい言葉をかけてくれる。私は、そんな先生がスキ。読んでるだけで生きると言う事がこんなに大事なんだ、そう思わせてくれる。だから、今、夜の世界にいる人は少しでも夜回り先生を頼ってみてほしい。。私がこんな事を言ってもしかたがないけど、もっとこの本をいろんな人に読んでもらいたい。みんながみんな、いい子で幸せな子ばかりではない。苦しんでいる子だって数多くいる。その現状を本を読んで実感してほしい。