BOOK REVIEW
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大久保佳代子さん( コメディアン、タレント) 【テーマ:女子がムラムラ!官能本】

大久保さんセレクト本



●『場所』瀬戸内寂聴
寂聴先生の「私小説」。正直、羨ましい。
失礼ながら、現在のお婆からは想像できない常に男ありきの人生。
きっといい女だったんだろうなぁ。
「恋愛」への情熱が他人よりはるかに強く、衝動により人生を
展開させていく姿に感化されました。
「好きなタイプは……」とか言ってる場合じゃない。
本能で男を欲し、衝動で動いてみたい。
元来、負けず劣らず男好きなんで資質はあると思うんですが。


●人のセックスを笑うな』山崎ナオコーラ
ナオコーラって、ふざけた名前に思惑通りひかれてしまいました。
39歳女先生と、19歳専門男子学生の恋話。
SEXしてます。鍋をしながらSEX。
SEXの後、布団の中で食べるクリームパン。
「食事は性行為の一部」と考える私は、非常にそそられました。
女39歳、踵はカサカサ、へその下のぷっくり肉、疲れた顔……。
「ゆがみ具合」がたまらないらしいです。
それだけ人を好きになってみたいもんです。


●『こたつの人 自讃ユーモア短篇集』佐藤愛子
登場する女達が、器量良しでないとこが意地悪く面白い。
「年増の未亡人」「カビの生えた大豆のような女」
「魚河岸の大マグロ」のような肥えた女。
みんなSEXしたいんです。
ドラマのような美男美女だけが綺麗なSEXしてる訳じゃないんです。
SEXという行為自体がいかに滑稽で、その滑稽な行為達成に向けて
いくつになっても、見苦しくあがく姿が、切なく、愛おしく思えます。

小林キユウさん(写真家) 【テーマ:春】

kiyuu

●「アジア食堂」/春山 みどり 著(文化出版局)  

 春ともなればどこか旅に出たくなります。ということでまずはアジア方面の1冊。タイトルを聞いて旅のグルメ本と思った人もいるかもしれませんが違います。正しいレシピ集です。これほどパワフルなレシピ本をほかに知りません。お行儀良く「いただきます」でなく、「おぉ~し、食うぞ!」と叫びながらって感じの屋台料理が盛りだくさん。タイ、ベトナム、香港、沖縄と熱風吹きまくる路上の空気感も伝わってきます。  

 

●「海辺のカフカ」/村上春樹 著(新潮文庫)

  主人公の少年カフカは15歳の誕生日を期に旅で出ます(家出とも言う)。東京から夜行バスに乗り込んだカフカ少年は四国・高松を目指します。以前、「ルート88四国青春遍路」という本の取材で、僕も同路線に乗ったことが。だからカフカ少年も八十八ヵ所を巡り始めたりして…という淡い期待をしましたが、違いました(笑)。でもこの状況設定が遍路で言うところの「お四国」にも通じる磁場の違う世界って感じで効果的です。

  

 ●「つげ義春の温泉」/つげ義春 著(カタログハウス)  

 3冊目。旅と言ったらこの人は外せないでしょう。「温泉」に関わる同氏のマンガ、写真、文章を一冊にまとめています。東北の湯治場で温泉につかる老婆はあやし過ぎます。帯に「昭和40年代の秘湯の風景」とある通り、すでに民俗学の境地。僕も最近、「路地裏温泉に行こう!」という本を出したのですが、同じ温泉が結構出ていました。そして、あまり風景が変っていないことに感動。温泉地ってある意味時間が止っているのですね。

私が不思議に思うこと

▼この本に関する情報▼
私が不思議に思うこと/西村 知美 著(青春出版社)

■■ ユ リ オ カ 超 特 Q さ ん ■■

 現在、芸能界において、いわゆる天然ボケキャラというのは最も重宝される存在である。
 特に女性アイドルにその傾向が顕著で、単にカワイイだけではダメ。バラエティ番組で活躍するためには、事務所の方針で無理矢理”天然”キャラの仮面を被らされる事になる。しかし、はからずも山口もえがロンブーの番組で「私、計算でした」と告白したように、時間が経つとその重圧に耐え切れず、自ら仮面を脱ぎ捨ててしまう。(鈴木蘭々、篠原ともえの痛々しさを見よ!)そこで、西村知美である。浅田美代子と並ぶ天然ボケキャラの鬼、不動のクリーンナップ。ズバリ、この人はモノが違う。

 このトークエッセイでは、子供時代から結婚生活、はたまた衝撃的な流産告白までトロリン(アイドル時代のニックネームね)ワールドが大全開。自動車の室内灯に電気代がかかると思っていた。なんてのはかわいい方で、大の苦手の運転は常に二人のナビゲーター付き。自分で後ろを見たことは一度もないとなぜか堂々と断言する、違う意味での強心臓ぶり。

 毎回、「チーム知美」を結成させられる友人の皆さんに心から同情します。さらにアイドル時代、クラスメイトの渡辺美奈代に番組で声をかけられて思わず自己紹介をしてしまったほどの、モノ覚えの悪さもカミングアウト。

 事務所の社長からのアドバイスで日記を書き始めるも、普通だとつまらないと考える。そこで、架空の誰かに報告するみたいな型だったら面白いんじゃないかと考えたトロリン。でもねー。その対象の名前を「ルシファー」にします? フツー。 悪魔ですよ悪魔。思わず戦慄が走りました。

 という訳で何から何まで我々凡人には理解不能な、こちらの非共感エッセイ。読み
ごたえ十分です。ビバ! トロリン!!

囚人狂時代

▼この本に関する情報▼
囚人狂時代/見沢 知廉 著(新潮文庫)

■■ ス マ イ リ ー キ ク チ さ ん ■■

 この本を買ってから何年も経ちますが、今だに年3、4回は読んでいます。著者の12年間に及ぶ刑務所での獄中生活の話なんですが、今までの刑務所本とは目線が違うんです。囚人でありながら、他の囚人の心理面などを分析している所は思わず「へぇ~」とうなずいちゃいました。

 「なぜ、人は罪を犯すのか」、囚人達が罪を犯すまでの経緯などを細かく描写していて、ゾッとする。あともう一つ驚いたのが「運勢」って実は存在するのでは、と思われたところ。著者が囚人達に様々な占いをした結果、その中の一つの占いが当たったというくだりがあります。調べるとその人は、罪人になる運命がすでにあったそうなのです。悪いことをする人間はどこか感覚が違うんだと思っていたし、占いはあんまり信じてなかったのですが、この本を読んでから考えが変わりましたね。この占いの箇所はもう何十人にも話した気がする。

 それ以外にも当時、話題になった事件の首謀者と留置所や刑務所で一緒になり、この中で会った人しか知り得ない犯人達(実名)の内面性を語っている裏話に驚きの連続でした。
 この刑務所には凶悪犯が様々な罪で入所してくる。共同生活の辛さや孤独感も伝わってくるし、時に滑稽で異様な気がした。でも、人生は歯車が狂うと、こういう世界に入る可能性もあるんだなぁ~と感じます。そして刑務所に入るようなことは一生したくないと思う本でした。

自分の中に毒を持て

▼この本に関する情報▼
自分の中に毒を持て/岡本 太郎 著(青春出版社)

■■ ス マ イ リ ー キ ク チ さ ん ■■

 最近「常識」という言葉を耳にしますが、そんなモノを打ち砕く本でした。別にマナーを破れと言ってるのではなく、常識という枠にとらわれて、他人の目ばかり気にしていると個性や発想力を見失って殻にとじこもってしまう。そのことがいかに恐ろしいかを教えてくれます。僕も全員に反対されたら諦めることもありました。

 この本を読む前は、人から良く見られるためには嫌な思いもしなくちゃいけないのかなぁと考えたこともあります。でも、この本はそんなことを否定してくれ、時に味方になってくれたり悩ませたりし、つい何回も読み返してしまいます。

 自分のコンプレックスだって、考え方を一つ変えればプラスになる。あの世界の岡本太郎でさえ、コンプレックスを持っていた。コンプレックスを成功に導くのは本人の個性と発想です。この本には悩みを解決してくれるヒントがいっぱいあった。そして、答えを出すのは自分だと言うことも書かれてある。

 他にも岡本太郎の恋愛論なども書かれていますが、正直、面食らいました。今までの岡本氏の印象が180度変わると思います。

 僕が感じたことは「自分の個性を潰しているのは自分自身」ということ。

 もし悩んでいたり、友達で自分探しをしている人がいたら、この本を渡してくださ
い。

 遠くへ行く旅行券より、この本が最高のチケットになるはずです。

ドクター中松の頭をもっと良くする101の方法

▼この本に関する情報▼
ドクター中松の頭をもっと良くする101の方法/中松 義郎 著(ベストセラーズ)

■■ ユ リ オ カ 超 特 Q さ ん ■■


 あまり大きな声ではいえないが、私は大のドクター中松マニアだ。中松先生が参院選や都知事選に出馬した時は必ず投票するようにしているし、街頭演説だって見に行っている。

 なにしろ5年前には中松先生の誕生パーティに自腹で(二万円!)参加しているくらいだ。

 思えばこの方ほど世界的な評価と日本での評価が違う人もいないのではないか。なにしろエジソンを越える世界の発明王である。

 だって世界発明グランプリを20年以上連続受賞してるんですよ!(自分で開催しているとの噂もありますが)とにかくフロッピーディスク、おしょうゆチュルチュルを発明しただけでも、もっと尊敬されてもいいはずなのに、相変わらず日本国民の中松先生を見る目は半笑いである。

 この本は「頭を良くする機械を発明する」と宣言して周りのスタッフからも笑われた(涙)、中松先生が我々凡人に、わかりやすく頭脳明晰になる方法を教えてくれるありがたい一冊なのだ。まずは食事が大切とばかりに発明品「ドクター中松ライス」「ドクター中松せんべい」を紹介。噛むことであごの筋肉を使うので脳を活性化し、それが結果的に頭を良くするとのこと。気になるその中身に着いては「頭においしい成分入り」と男らしくアバウトに断言。お馴染みのフライングシューズは全身の血行を4倍うながし、実際、フライングシューズを履いて通学させた子供たちの成績がうなぎのぼりになったという実験結果もあるらしい(!)。そんな頭の良くなるためのノウハウが101も紹介されているんだからホント最高です。と思ったら、アレ? 97までしか項目がないよ。ギャフン!! でも先生、一生ついて行きますんで。

秘密

▼この本に関する情報▼
秘密/東野 圭吾著(文藝春秋)

■■ 藤 井 宏 和 (飛 石 連 休)さ ん ■■

 ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、読み終わって不思議な気持ちになる小説でした。

 とある仲のいい母娘が、スキーバスで転落事故に遭遇。母は亡くなり、娘は一命を取り留めるのですが……なんと、娘の体には母の魂が。事故当時、娘は小学5年生。もちろん世間に「母娘の魂が逆に!」なんて言えず、残った父と娘(魂は母)は、見た目通りの生活を続けることに。

 さて、話はここから。娘が思春期に入ると、男友達くらいはできるわけです。それに父が猛烈に嫉妬をするんですよ。当然ですよね。本来は妻ですから。その妻は、浮気なんて気持ちは微塵もないんですが、父は必要以上に勘繰り、彼女をきつく囲おうとします。その気持ちがねぇ、痛いほど伝わってくるんですよ!時には異常とも思える行動も、それを責める気にならないくらいに。

 それから話は二転三転、結末やいかに。あなたにとってはハッピーエンドでしょうか。それとも?

夜回り先生の卒業証書

▼この本に関する情報▼
夜回り先生の卒業証書―冬来たりなば春遠からじ/水谷 修著(日本評論社)

■■ 長 澤 瞳 さ ん ■■

私は、夜の世界とはほど遠い昼の世界の人だから、まったくと言っていいほど『夜回り先生』とは縁がない。そんな私がこの『夜回り先生』を読んだのは、なぜだろう。
それは先生の言葉がスキだから。「悩んだら電話しなさい。水谷は、どこでも会いにいくよ」「いいんだよ。昨日までのことは、みんないいんだよ。<死にたい>でも、それだけはダメだよ。まずは今日から、水谷と一緒に考えよう」

先生は悩んでる子供たちの事を一生懸命考えてくれる。怒ったり、手をあげたりはしない。

「いいんだよ」と優しい言葉をかけてくれる。私は、そんな先生がスキ。読んでるだけで生きると言う事がこんなに大事なんだ、そう思わせてくれる。だから、今、夜の世界にいる人は少しでも夜回り先生を頼ってみてほしい。。私がこんな事を言ってもしかたがないけど、もっとこの本をいろんな人に読んでもらいたい。みんながみんな、いい子で幸せな子ばかりではない。苦しんでいる子だって数多くいる。その現状を本を読んで実感してほしい。

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

▼この本に関する情報▼
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団/J. K. ローリング 著(静山社)

■■ 藤 井 宏 和 さ ん(飛 石 連 休)■■

巷で噂の第5巻です。話の流れ的には全巻ほぼ同じで、まず序盤は主人公・ハリーのついてないっぷりから始まり、後半に入って徐々に巻き返し、そして最後に大逆転!そんな造りでございます。

ただ、前半のハリーの不遇部分の割合が、巻を追うごとにドンドン長くなっていってまして。今回なんてページ数が多い上に、下巻まで不遇が続いたので、僕のストレスも溜まる溜まる。

著者はドSなのか?

しかも今回は、ハリー自身が反抗期なのか小生意気で、前までのように素直に応援できず、それがまた僕のイライラに拍車を・・・くぅ~!・・・

ただ、ラスト近くのダンブルドア(魔法学校の校長)の活躍っぷりは鳥肌モノでしたよ。かっこいい!ダンブルドアファンの僕としては、それだけでも大満足。

それにしても、この世界が、全て一人の女性の頭から生まれたと思うと凄い。どうなってんだ?ローリングさんの脳みそは。やっぱりどの世界でも、億稼ぐ人は違うな~。

love history

▼この本に関する情報▼
love history/西田 俊也著(メディアファクトリー)

■■ 長 澤 瞳 さ ん ■■

 『もし「昔した恋」に戻れるなら、あなたはどの恋をやり直したいですか?』という表紙の言葉を見て、そんな事できるはずがない……と分かっていながらも、もしやり直す事が出来るなら、すべての恋を1からやり直したいと私は思う。そして同じ過ちがおこらないように、今現在の自分の気持ちで台本を書き直したい。

 この本の主人公【吉崎由希子】は、いろんな過去の恋に戻って同じ時間を過ごした。でも一つだけシナリオにない言葉を口にしたら、彼は驚いてしまった。結局その時の時間は一つしかなく、今の自分の気持ちで過ぎてしまった同じ時間をもう一度過ごすといことは出来ないし、その恋は何も変る事は出来ないということなのだろうか……。私の今までの恋は、すべてではないけれど後悔だらけ……。良い思い出もあるけれど、思い出したくない思い出もある。思い出の物を捨てても、思い出そのものは消えない。

 そう考えると、恋愛ってめんどくさいな。ずっと引きずりながら生きていくなんて、そんな想いしたくないなと思っていた。でもlove historyは、私に恋愛の楽しさやこれからの人生の楽しさを教えてくれた。過去をやり直す事は出来ないかもしれないけれど、私もタイムスリップしてみたいと思った。